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夢のチョコレート工場

チャーリーのチョコレート工場原作の初映画化

 『夢のチョコレート工場』(WillyWonka&theChocolateFactory)はメル・スチュワート監督により制作された、昭和46年の映画作品で、日本ではチャーリーとチョコレート工場の名前で知られる、ロアルド・ダールの児童文学小説『チョコレート工場の秘密』を映画化したものです。その後、平成17年公開のティム・バートン監督『チャーリーとチョコレート工場』によって同じ原作から2度目の映画化を果たしましたが、どちらも高い評価を収めており、日本でも平成13年11月23日にワーナー・ホーム・ビデオからDVDが発売されるという人気を博しておりました。

スタッフ

  • 監督メル・スチュワート
  • 脚本デヴィッド・セルツァー
  • 製作デイビッド・P・ウォルパー
  • スタン・マーガリーズ
  • 出演者ジーン・ワイルダー
  • 音楽ウォルター・シャーフ
  • アンソニー・ニューリー
  • レスリー・ブリッカス
  • 配給パラマウントピクチャーズ(アメリカ)
  • ワーナーブラザーズ(日本)
  • 公開昭和46年6月30日(アメリカ:カナダ)
  • 劇場未公開(日本)
  • 上映時間100分
  • 製作国アメリカ合衆国
  • 言語英語
  • 製作費$2.9million
  • 興行所得$4million

単館シアター

本作の魅力

 なんといっても一番の魅力は、脚本に関して原作者のダール自らが草稿を書いているというところでしょう。映画はミュージカル仕立てな部分が多々あって、チャーリーの学校の担任の先生等のオリジナル・キャラクターも出演しています。また、ティム・バートン監督の作品と違って、チャーリーの父親は冒頭から不在です。

 工場に入る子どもに付く保護者は、原作の二人から一人に変更となっており、この変更点は平成17年の『チャーリーとチョコレート工場』にも受け継がれています。この変更によって作品自体のキャスト数を減らすことによる予算面でのメリットだけでなく、作品自体がわかりやすくなるという効果も生まれました。

 また今作品の特色として、「工場の入場に関しては、内部で起こり得る危機により生じる被害一切からウォンカを免責する旨記された膨大な長さの誓約書に署名を強いられる場面」があって、ここには欧米の訴訟社会特有のリーガル・カルチャーの影響が見られます。ティム・バートン版ではこのシーンが割愛されていたかと思われます。

 また、本作では工場で働くウンパ・ルンパを全て何人もの身長の低め人が演じることとなりました。平成17年の『チャーリーとチョコレート工場』では、ディープ・ロイが一人で数十人分を分けて演じたCG合成や、ロボットを使い再現するという手法をとっておりますが、このころはまだCG合成という物が一般的ではなかったこともあり、このような表現になっています。更に原作に描かれた「クルミを割るリス」の部屋に関しても当時の技術では再現が難しかったので「金の卵を産むガチョウ」の部屋に差し替えられたり、身長の伸びたマイク・ティービーも当時の技術で作るのも難しかったらしいので子どもたちが酷い目に会った後で工場から出てくるシーンがカットされておりました。

 本作のヒットを受けて、原作の続編である『ガラスの大エレベーター』(CharlieandtheGreatGlassElevator)も映画化が予定されていたのですが、実際に今作品の出来に満足しなかったダールが拒否した為、実現には至りませんでした。確かに技術的に難しい部分がかなりあったこともあって、この結果は仕方がないものだと言える部分もありましたが、この独特のサイケデリックな雰囲気にカルト映画的な魅力を見いだしたファンも多く、アニメ『シンプソンズ』『デクスターズラボ』等のテレビ番組、またマリリン・マンソンの楽曲等に本作品のパロディが見られる等、欧米メディアに少なからず影響を与えています。

特撮映画大集合

個人的には好印象

 このイギリス児童文学の名著ロアルド・ダールの作品を映画化した本作ですが、おもちゃ箱をひっくり返したような世界観であり、一応お子様向けでもありながらも、ありとあらゆる要素にわざとらしさといったものが感じられず、しっかりとそのテーマ性が伝わってくる物となっています。特にティム・バートン版でなく、本作に至っては当時の映像技術では原作を十二分に表現しきれなかったため、一部が色々tと違う表現に差し替えられてしまっていましたが、それぞれが内包するメタファーなどは比較的十二分に表現しきっていたかと思われます。

 特に、ウンパルンパに関して言えば、わざわざ背の低い人を沢山集めて撮影するなどといった気合の入りっぷりで、当時の技術でここまで出来るのかと思いながら見ると、かなり感慨深いものがあります。是非、ティム・バートン版のチョコレート工場と合わせて見てみてほしいものです。ちなみに蛇足ではありますが、本作のウォンカ役ですが、なんとジーン・ワイルダーが演じています。新作ではジョニー・デップがアダルトチルドレン風なウォンカを演じていますが、旧作の方では若干貫禄があります。しかしなんといっても、この二人、共にアリス・イン・ワンダーランドにも出演していたということもあり、雰囲気から溢れ出るファンタジーさに関しては似通ったものがあったのかなと思われます。

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